歯周病｜鳥取市で歯医者をお探しの方は【おうちだに谷口歯科クリニック】まで

静かに進行する
「歯周病」とは

日本では、15歳以上の約48％が、進行した歯周病の症状を抱えています。
参考：厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査 結果の概要 表19より
歯周病は、歯周病菌が出す毒性物質によって歯周組織に炎症を引き起こす疾患です。
症状が進行すると、歯周組織が溶かされ、最終的には抜歯を免れなくなります。
また、歯周病菌や炎症性物質が血管に入り込み、全身のさまざまな臓器に影響を与えることもわかっています。
歯周病は初期の段階では自覚症状がほとんどなく、気付かないうちに重症化しているケースも少なくありません。
毎日のセルフケアと定期検診で、しっかりと予防することが大切です。

歯周病の症状
セルフチェック

次の項目に当てはまる数が多いほど、歯周病が進行している可能性があります。

• 歯を磨くと歯ぐきから出血する

• 歯ぐきが赤黒い

• 朝起きたときに口の中がネバネバしている

• 歯と歯のすき間が広くなって、食べものがよく詰まる

• 歯ぐきが腫れている

• 歯ぐきが丸くなっている

• 歯ぐきがブヨブヨしている

• 歯ぐきがムズムズしてかゆい

• 口臭が強くなった

• 歯が伸びたように感じる

• 硬いものを噛みきれない

• 歯がグラグラする

• 歯ぐきから膿が出る

• 歯の根元が見える

一つでも当てはまるものがあれば、できるだけ早く歯科にご相談ください。

歯周病の原因

歯周病の直接的な原因は、歯周病菌を含む細菌のかたまり「歯垢（プラーク）」です。
歯垢の中の歯周病菌が出す毒性物質によって、歯周組織に炎症が発生します。
空気を嫌う歯周病菌は、歯と歯ぐきの間の溝である「歯周ポケット」の中にもぐりこみ、内部で炎症を起こし、最終的に歯を支えている骨を溶かしてしまうのです。

歯周病治療では、プラークコントロールで原因となる歯垢を徹底除去します。歯垢を除去するためには、毎日の丁寧な歯磨きに加えて、歯科医院で行う専門的なクリーニングが必要です。

歯周病と全身疾患
との関係性

重症化した歯周病では、歯ぐきの出血部から歯周病菌と炎症性物質が血管内へ侵入し、動脈硬化を促します。心臓や脳に到達すると、心疾患や脳血管疾患を発症させる恐れがあります。
誤嚥により歯周病菌が気管支を経て肺内に侵入すると、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。
また、妊娠中の女性が歯周病にかかると、早産や低出生体重児を出産するリスクを高めることもわかっているのです。
さらに、糖尿病と歯周病は、お互いにマイナスの影響を与え合う関係性であることも明らかになっています。
全身の健康を維持するためにも、歯周病の予防に取り組むことが大切です。

歯周病の進行

歯周病は、段階的に進行します。歯ぐきの腫れから始まり、次第に炎症の範囲が広がります。

歯周病治療の流れ

歯周病治療は、次の流れで行います。

1. 歯周病検査

   歯周病の進行状態を把握するために、さまざまな検査を行います。
   
   歯周ポケット検査
   歯周病の進行度を調べるために、プローブという針のような器具を、歯と歯ぐきの間に挿入し、歯周ポケットの深さや出血の有無を確認します。
   歯ぐきが健康な状態であれば、プローブは1〜2mm程度しか入りません。
   重症化していると、歯周ポケットの深さが10mm以上になることもあります。
   
   レントゲン検査
   歯根が歯を支えている骨にしっかりと埋まっているかを、レントゲン検査で調べます。
   定期的にレントゲン撮影を行うことで、歯周病の進行状況を把握することができます。

   

2. カウンセリング

   検査結果をもとに、現在の状態をご説明します。
   お一人お一人の進行状態に応じた治療をご提案しますので、どのようなことでもご質問ください。
   治療計画にご了承いただいてから、治療を開始します。

   

3. 歯周基本治療

   歯周病の進行度に関わらず、まずは原因となる歯垢（プラーク）を徹底的に除去する歯周基本治療を行います。
   歯周基本治療を行うことで、歯周組織の状態を改善し、歯周病の進行を食い止めます。
   
   ブラッシング指導
   毎日の歯磨きで、効果的にプラークを除去できるように、お口に合った磨き方をお伝えします。
   汚れの除去率を高めるためには、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを活用しましょう。
   患者さまお一人お一人に合う歯ブラシや、デンタルケアグッズのアドバイスも行っています。
   
   
   スケーリング
   歯垢（プラーク）が、唾液の中のカルシウムやリンと結びついて石灰化したものが「歯石」です。歯石は硬いため、歯磨きでは落とすことができません。
   歯石は、スケーラーとよばれる専門の器具を使って、削り落とす必要があります。
   歯科医院では、歯や歯ぐきを傷つけないように丁寧に取り除きます。

   

4. 進行した歯周病の治療

   歯周基本治療で、歯周病の症状が改善されなかった場合、歯周外科治療に移ります。
   
   フラップ手術（歯周外科治療）
   歯周ポケットの奥深くに溜まった歯石や歯垢は、スケーリングだけでは取り除くことは困難です。
   フラップ手術では、歯ぐきを開いて、歯根面に付着している歯石や歯垢を、直接見ながら取り除きます。
   
   レーザー治療
   レーザーの光や熱によって、歯周ポケット内の歯周病菌を殺菌します。レーザーには歯ぐきの治癒を促進する効果もあります。
   
   歯周組織再生治療
   歯周病で破壊された歯ぐきや歯槽骨などの歯周組織は、自然と元の状態に戻ることはありません。
   そのままにしていると、歯を失うことになるため、歯周組織を再生する「歯周組織再生治療」を行います。

   

5. メンテナンス

   歯周病は再発するリスクの高い病気です。
   治療後も、毎日行う「セルフケア」と、定期的に歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」を組み合わせて、健康な状態を維持しましょう。

   歯ぐきに負担をかけないパウダーメンテナンス
   
   

   当院では、歯面清掃装置「メルサージュ エピック2in1」を使ったパウダーメンテナンスを行っています。
   パウダーメンテナンスとは、粉末薬剤を高圧のウォータースプレーで歯に吹き付けて、歯の表面や歯周ポケットの汚れを落とし、美しく磨き上げるクリーニングです。
   歯の表面に付着した歯石やプラークはもちろんのこと、細菌が集合して膜状になった「バイオフィルム」、ステイン（着色汚れ）も取り除くことが可能です。
   器具が直接触れることがないため、歯や歯ぐきへの負担が少なく、歯周病によって歯ぐきが炎症している状態の方にも施術できます。

   

歯周病予防の
ために大切なこと

歯周病を予防するためには、日々のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスが重要です。

丁寧なブラッシング

歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きです。
歯科クリニックでのアドバイスを参考に、丁寧なブラッシングを心がけましょう。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、汚れの除去率を高めることができます。

定期メンテナンス

毎日丁寧にブラッシングしていても、歯磨きだけですべての汚れを落とすことは困難です。
歯磨きで落とせない汚れは、歯科のクリーニングで除去することができます。

定期検診では、お口の状態を確認し、クリーニングでお口の汚れを除去します。
お口の状態によって定期検診の間隔は異なりますが、一般的には約3～4ヶ月に1回、受診するとよいでしょう。

禁煙

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮する作用があり、タバコを吸う人は吸わない人よりも、歯周病になりやすく、治療の効果も出にくいとされています。
そのため歯周病と診断された方はもちろんですが、歯周病リスクが高い方も、禁煙をおすすめしています。